薄暗がりの中に、男が立っていた、、、、
男の姿は、白衣に、ぼさぼさの髪の毛、どうやら彼は科学者のようだ、
科学者の彼は薄暗がりの中の、明るく光る謎の液体で満たされた容器に向かい、歓喜の声を上げていた、
「フフフフ、、、ハッハッハッハッハッ!!!・・・完成だ・・・ついに完成した!!
長年の夢だった、、、思えば辛い日々だった、、、研究所にいたころ、、、何度この研究の説を唱え、、
マッドサイエンティスト扱いされたことか、、、でも!!ついに俺はやったんだ!
まだまだ試作だが、、世界で始めての、、猫をベースにした人間との異種配合、、
猫人間の完成だ!!!」
そう、猫人間、彼の名前はアキラ、アキラは自分の実家の猫の卵子と自分の精子を
人工的に受精させ、猫人間を作ることに成功したのだ、だが、アキラはまだ猫人間の完成を
世に発表しようとはしなかった、なぜなら、まだあくまで試作段階だからだ、
より完璧なものにし、完全に世間をまいらせることができるとわかるまで、
もう少しこの女の子との生活を続けようと思った、
2002年、十月二十三日
今日は初めてこの子を育成液からだすことができた、でもまだまだ赤ん坊だ、
体重も3000グラム程度しかない、
猫をベースにしたといっても、本来の猫の部分は、、、耳と、しっぽしかないようだ、
あとは全て人間の身体、人間の女の子だ、
うちの実家の猫の卵子をとるときに母さんにばれて軽蔑されたっけ、、、
飛び出してきた研究所の奴らにはマッドサイエンティスト扱いされたし、、、
いつか目にもの見せてやる、、
そういえば、、こいつどうしようかなぁ、、部屋は、、地下研究所と、、
風呂と、、、キッチンと、、俺の部屋しか無いなぁ、、
やっぱ、、俺の部屋に寝かせるしかないか、、、ふぅ、、
この人里離れた海の見える原っぱ、なんて言うものすごい土地に
こんなちっちゃい研究所を建てたわけだが、、
ま、そのときためた金がたっぷりあるから、生活には困らないけど、、
無駄遣いはできないよな、、やっぱ出費は必要最低限で抑えたいところだ、、
「それにしても、、、大丈夫か?こいつ、、」
『・・にー・・に・・』
「はぁ、、なまえは、、なんにしよっかなぁ、、一応、つけないと、、」
『みゅーー・・にーー』
「・・・・・・」
『・・・・にゃぅ・・・・』
「ミューア・・ミューアでいいか、」
『にーー・・』
「なんだ?こいつ、、あ、はら減ってるのかな、、まってな、今ミルクを作ってやる、」
アキラはミューアになんだか物欲しそうな目で見つめられ、いそいで粉ミルクを作ることにした、
「よし、できた、こんなもんしかないけど、ほら、のみな、」
アキラは粉ミルクでつくったミルクの入ったほ乳瓶をミューアの口に近づけてやる、
ミューアはそのおれてしまいそうな小さな腕を伸ばし、ほ乳瓶に吸い付こうとした、と、
「あ、ちょっとまってくれ、」
アキラはほ乳瓶をミューアから離す、その瞬間ミューアはすこし悲しそうな顔をする、
『に・・・』
「ほんとごめんな、ちょっとまっててくれ、」
段ボールと毛布で作った即席のベビーベットにミューアを寝かせ、アキラはバタバタと部屋の奥に走っていく
少しして、瓶のいっぱい詰まった箱をおもそうに抱えてアキラが戻ってきた、
「おまたせ、もうちょっとまっててくれ、こんな粉ミルクじゃあ栄養が全然たりないからな、
この大量のビタミン剤でちょっと栄養の調節をしてやる、任せとけって、
ちゃあんと考えて作ってやっから、おれは科学者だぞ、失敗なんてしないさ、」
『に、、、』
「ほらできた、のんでみろ、」
ほ乳瓶をもう一度ミューアにちかづける、ミューアはすこしためらうように
すぐには吸い付こうとはしなかった、
「大丈夫だって、ビタミン剤ダパダパいれたからにがいとおもってんだろう?
ちゃんと味も調節してある、甘くて美味しいぞ、さ、のめ、」
『にー・・・』
おそるおそるミューアはほ乳瓶に吸い付いた、その瞬間今まであまり元気の無かったミューアの顔が
パッとあかるくなった
『にゅ〜〜♪』
「ヘヘヘ、美味いだろ、ちゃんと栄養とって丈夫な体になってもらはないと困るんだからな、
そもそもおまえはこの世界で初めての種類の人間なんだからな、
ちゃんとデータを取って、そのうえで・・・」
アキラが長々と独り言モードに入っている間に、ほ乳瓶いっぱいのミルクを飲み干したミューアは、
アキラに抱えられたまま腕の中で眠ってしまっていた、
「あ?なんだ、、ねちまったのか、、ま、そもそもこんな赤ん坊に
俺の壮大な野望がわかるはずないか、、、ふ、、あぁ〜〜〜〜あ・・・
おれも、、ねるかな、、、ここ最近、、、徹夜だったかんなぁ、、
もう、、しばらく徹夜なんかしなくてすみそうだな、、ねよ、、」
アキラはミューアを起こさないようにそっとベビーベットに寝かすと、箱をもってベットの横の
電気スタンドを乗せていたテーブルの上にスタンドをどけて箱を置いた、
「これで、よし、、、ふぁあ・・・おやすみ、ミューア、」
まだ寝るには少し速い、午後9時ころだったが、久しぶりに入った柔らかいベットの感触に
アキラは心地よい眠りに落ちていった、
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
只今の時間午前0時、アキラは、寝たくても寝れない苦痛と戦っていた、、、
『みゅーーー・・・みゅぁ〜〜〜〜・・にゅぅ〜〜・・にゃーーーー』
「う、、うるさい、、、」
思わずアキラは怒鳴ってしまう、
「うるさいぞぉ!」
『みゅっ・・・』
ミューアは一瞬びくっとしたが、泣きやみはしなかった
『みゅあ〜〜〜・・・にぁ〜〜〜・・・・ぁあ〜〜〜〜』
「う、、どうしたらいいんだよ!!?」
アキラはミューアを抱き上げた、
と、ミューアは急に泣きやむ、
『みゅ、、、、ふにゅ、、、』
「あぁん?なんだ、、なきやみやがる、、」
アキラがもう一度ベビーベットにミューアを戻そうとすると、、
『ふにゅ・・にゅ〜〜・・・』
一度泣きやんだミューアの目にまた大粒の涙が溢れてくる、
「あぁもう!わかったよ、、、」
アキラはもう一度ミューアを抱きかかえた、
「どうしたらいいんだよ、、、」
『みゅぅ、、にぃ、、、』
「仕方ないなぁ、、、俺だって寝相良くないんだからなぁ、、、」
ついにアキラは眠気とミューアの鳴き声に負けて、ミューアを隣に寝かすことにした、
なぜか不思議なことにもうミューアは泣き出さず、静かに寝息を立て始めた、
「はぁ、、、まったく、、」
アキラは寝返りでミューアをつぶしてしまわないように努力しながら、深い眠りに落ちていった、
十月二十四日
「ふ、、あぁ、、、よくねた、、、ん、、、」
アキラは首だけを動かしてミューアの方を見る
『ふにゅーーー・・・スーーー・・・』
ミューアはまだ寝ていた、布団をはぎ取り、そっと揺すってミューアを起こす、と、、
「ん?なんか大きくなってないか?」
確かにミューアは昨日よりもふた周りくらい成長していた、
ミューアがゆっくりとまぶたを持ち上げる、まだ少し眠そうにめをトロ〜ンとさせている、
『ふみゅ、、、みゅ、、、』
「フフフ、おきたか、」
と、なにやら寒いのか、ミューアは少し縮こまってしまった、
「ん?、、ああ、、まだ裸だったか、、、そうだよなぁ、、、
ちょっと肌寒いか、、」
ミューアはアキラにすり寄ってくると、なにやらぷるぷると小刻みに震え始めた、
「あぁ、、さむいのか?、、、ん、、あぁ!!こ、、これは!おい!や、やめ・・」
プルプルッとふるえが終わったあと、ミューアはすこしうっとりした顔になる、
それと同時にアキラの胸に暖かいものが伝わってくる、
「あぁ、、、やりやがった、、、、はぁ、、、」
『みゅふぅ、、、』
ミューアはバッチリとおねしょ、この場合は、お漏らしをしてしまったのだ、
アキラもこれにはまいったが、きつく叱るわけにも行かないので、
今日のところは笑って許してやることにした、
「ヘ、、ヘヘ、、もう、、するんじゃないぞ、」
『みゅ、、みゅぅ、、、』
第一話はここでおわりです
短くてすいません(^−^;)
まだまだ続きます
よければBBSに感想をかいていってくださいね♪(^−^)
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